どうも服部です。昭和の動画を紐解いていくシリーズ、今回は昭和をはるかさかのぼり1894年(明治27年)の映像を紹介したいと思います。約120年前です!

アメリカ政府の書類や歴史的価値のある資料を保存するアメリカの政府機関「US National Archives(アメリカ国立公文書記録管理局)」がYouTubeに公開している「Carmencita: Spanish Dance, Filmed by Thomas Edison 03/1894(カルメンシータ:1894年3月にトーマス・エジソンによって撮影されたスペイン舞踏=著者訳)」というタイトルの映像です。なんと、あのエジソンが撮影!?

YouTubeに付けられた概要文を要約すると、「Carmencitaという名のフラメンコダンサーの踊りに加え、急流を下る船や近くの町の橋の上を歩く日本人の姿も捉えている」とあります。日本の映像も含まれているようです。さらに「US National Archives所蔵の一番古い映像です」とも書かれています。ワクワクしますね。早速見ていきましょう。

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1894年の映像ということですが、想像していた以上に鮮明です。踊っているのはタイトルにあるようにカルメンシータ(Carmencita)という名のダンサーです。Wikipediaの情報によると、彼女はスペイン出身で、1889年のパリ万博でダンスを披露した際、たまたま見ていたアメリカ人の劇場関係者にスカウトされ、同年に渡米。以後、この動画が撮影された1894年まで米国に滞在していたようです。

実際には15分ほどの映像だったということですが、この動画では30秒ほどでダンスシーンは終わりです。



そしてこの記事では、ここからが本題です。腰を曲げて急ぎ足でやって来る男性らしき人たちが映ります。日本の映像のようです。

どうやら急流の川で、船を上流に向かって引っ張っています。流れの強さがよく伝わってきます。

画面が切り替わると、今度は下流に向けて船が進んでいきます。4艘ほどいるようです。水しぶきを防ごうと、傘(洋傘)をさして乗っている人もいることから、きっと観光用なのでしょう。景観から現在でも観光名所である京都の保津川下りかもしれません。保津川の川下りは「明治の28年(1895年)頃から、遊船として観光客を乗せた川下りがはじまった(「保津川下り」ホームページより)」ということで、年代的にも可能性は高そうです。



ここからはYouTubeの概要文にあるところの、「急流の川近くの町にある橋の上」のシーンのようです。雨が降っているようで、人々は番傘をさして歩いています。人力車の姿もちらほら見られます。

最後は、三味線や鼓といった楽団の前で扇子を広げて舞う少女たちの映像です。背後には日の丸が2枚飾られています。

いかがでしたか? 日本の映像に関しては正確な年代や場所などは明らかではありませんが、(恐らく)1800年代の日本の映像という、極めて貴重な映像が気軽に見られる現在のネット社会に感謝感激です。引き続き、歴史の1ページを紐解いていければと思います。

(服部淳@編集ライター、脚本家)